今世紀で人類は終わる? / 草思社 ISBN978-4-7942-1590-1
帯に書いてあるコピーが刺激的。「世界滅亡の引き金は、たった一人で引ける」というものなんだけど。
20世紀的な「核の恐怖」なんていうのはまるで違うタイプの科学的脅威が現実のものになろうとしている。インターネットとバイオテクノロジーの発達によって致死性のウイルスのDNA配列情報も個人が入手できるようになってきたし、それをさらに凶悪にしたり合成することのできる科学者の数も世界には数千人おり、年々増えている。で、そういう知識・技術を通り魔のような個人が手にしたり、テロリスト集団が手にしたりしたら...
ま、確かにそうかも。これからが期待されているナノテクにしても、凶暴なナノテクマシーンが自己増殖したりすると大変なことになる、っていうのも、まぁ、理解できる。
もちろん、地球の気候変動(あえて温暖化とは言わない)による人類環境への悪影響、彗星・隕石の衝突の危険性、なんていう問題もなくなっているわけじゃない。
原料入手の問題があるにせよ、原子力爆弾(に類するもの)をつくることも技術情報の入手などの点では、個人でも可能な時代ですし。
んじゃ、どうするか?となると、マイノリティ・レポートさながらに超監視社会にして個人の行動を厳しくチェックするか?とか、人格コントロールする薬を開発して全員が暴力的な行動をしないように人格改造してしまうか?とか。なかなかエグイですね。いっそ、科学自体の進展をとめてしまえという意見もないわけじゃない。
いっそ宇宙に進出してしまえ、という選択肢もないわけじゃないけど、今後は国家プロジェクトとかではなくて、冒険心溢れる個人が切り開いていくことになるだろうとも。
そんなこんなで、この本のテーマが「人類はいま、史上最大の危機にひんしている」なので、延々とくらーいお話が続くのだけど、技術の進歩とともにリスクが増大していくというのは、なるほどね、です。
もっとも、「果てしない未来が生命あふれる世界となるか、地球の原始の海と同じく不毛の世界と化すか。そのカギを握るのは今世紀の私たちなのだ。」なんて言われても、ちょっとなぁ、って感じ。
で、この本を読んでから本屋をうろついてると、オライリーから出てる「Make:」っていう雑誌には「DNAをハック!」なんていう文字が躍ってた。んんー、たしかに個人でできる領域もどんどん広がっているのね、を実感。