原点は子ども時代 - 教えて!コンシェルジュ! | FM FUKUOKA
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原点は子ども時代

前回から、世界で活躍する日本人。しかも本場フランスでフランス料理のお店を出して
ミシュラン一つ星に輝いた、福岡県糸島市出身のフランス料理のシェフ、濱野さんに
お越し頂いています。
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濱野さんは今回、昨年から行っている凱旋フェアのために来日しました!
その感動は前回、お伝えしました。
今回は、その凱旋フェアの他に、学生や子供達を対象にした講演会も行ったそうです。
もちろん、母校である中村調理製菓専門学校にも行かれたそうです。

濱野さんは中村調理製菓専門学校時代、同じように講師としてやってきた
鉄人でお馴染み坂井シェフに直々にお願いして、卒業後、坂井シェフの
お店で働き、フランスへ渡り、ご自分のお店を持っています。

今回は、その坂井シェフと同じ立場で講演会を行ったそうです。
「プロの世界は甘くないよ。と言うことを教えに行きました。」
と言う濱野さん。まさか自分がこんな事になるなんて、想像もしていなかったそうです。

濱野さんには「生野菜」を扱ううえで気にかけている事を伺いました。
「なるべく素材の味を殺さないようにする事です。
相乗効果と言うか、さらに旨味を足して、出すようにしています。
一番簡単な方法は、茹で汁を使うことです。野菜を塩ゆでしますよね?
例えばブロッコリーとか。そしたらそのゆで汁を取っておいて、
ブロッコリーが冷めてから、冷めたゆで汁をブロッコリーに
浸しておいておくんです。これ、次の日食べるとむちゃくちゃ美味しいです!
ビックリしますよ!」

という事です!これは試さないと!!
なので、濱野さんのお店のお野菜は、基本先に茹でてあるそうです。
茹でて、ゆで汁に漬けて保管しているそうです。

こういった、コツなどを母校の生徒にレクチャ―したそうです。
私達もすぐに試せる ありがたい技ですね!!

さらに、今村敦子さんの紹介で、小学校にも出前授業に行きました。
その時に小学生から出た質問に 答えていただいています。
ちなみに、濱野さん、今村さんが驚いたのは、伺った小学生のうち、3分の1の生徒が
フランス料理を食べた事がある!と言うこと。濱野さんだって20台に初めて食べたんだって!

舞鶴小学校6年生からの質問
1.何で日本じゃなくてフランスまで行って店を開きたかったんですか?

濱野さん
フランスでやりたかったと言うのが強いですかね。フランスで修業していた時
どっちを選択するかとなった時に、今やりたいのはどっち?と考えた時に、
あ、フランスかな?と思って、ただそれだけで決めました。」

2.お店で良く使う食材は何ですか?

濱野さん野菜とかはもちろんなんですが、他と違うのは食用花を
多用している事です。愛の村と呼ばれている所にお店を出しているので、
料理にエレガントさを表現するのと、女性が作っているのかな?と
思わせる料理を作りたかったんです。

3.濱野さん自身が食べた料理で美味しかったものは何ですか?

濱野さんフランスにいたら、食べたら何でも美味しいと思っているんです。
でも、一番良く食べるのは和食。ご飯は常にありますし、土曜日は必ず
カレーですし。でも福岡に帰って来て、必ず食べるのはラーメンです。
とんこつラーメンが大好きです。」


4.日本人とフランス人の文化の違いってなんですか?

濱野さん「まず考え方が違います。食材の使い方も
取り入れ方が違います。育った環境が違うから、フランス人はフランス料理しか
知らないけど、日本人などは、和食も中華も勉強する。だから、フランス料理に
その学んだ事が多様出来るんです。」

フランスへ行って一番ギャップを感じた事は?
「困ることってそうそうないんです。だけど私生活の中で、
余りにも日本人はおとなしすぎる、というか自己主張しないと言うか、
周りの目を気にする、と言う気質が日本人にはありますよね?
でもフランス人は遠慮、おせじがない。言いたいことを言いたいだけいいます。
だから、褒める時も大げさに褒めます。
あと表現が豊か。美味しかった、だけじゃなくて、どれのどこが、こう美味しかった、
と言う感じですごく説明してくれるそうです。
だから、大げさに褒められると、すごく嬉しいです。」

濱野さんは、物事はっきりした方がいい、という事を学んだそうです。


5.今まで働いていて、よかったぁと思うことは何ですか?

濱野さん「結構いっぱいあるんですけど、フランスに行ったら
苦労しかないんです。日本て便利すぎて、何でも当たり前のように簡単に
出来てしまうんです。例えば、免許の書き換えにしても、ゴールド免許センターで
10分ほどで終るんですけど、海外に行ったときは、何でも遅いんです。
何でもやってくれる日本が当たり前ではなくて、海外のように自分でする、
と言う事が当たり前だと思うんです。だから日本が当たり前だと思ったら、
必ず苦労するんですよ。」

濱野さんのお店のスタッフは、フランスにありながら全員が日本人。だから、
日本的なサービスをすると、お客さんに驚かれるそうです。
日本では当たり前な事が海外で驚かれるんですね!!


6.料理を盛り付けする時、どうしてお皿も気にしているんですか?

濱野さん「料理を絵画に例えるなら、お皿は額縁です。
だからこそ、こだわるんです。組み合わせによっては料理が映えないんですよ。」


7.自分の料理で、絶対にここだけは負けない料理は何ですか?

濱野さん負けないと思うのは、フルーツの使い方。
フルーツ、ハーブ、食洋花を上手く多用して、コース内に
飽きさせない要素を沢山盛り込む事です。」


濱野さんは「夢はもたずに 目標だけ持つ」とおっしゃていますが、
今の目標は何ですか?
「とりあえずは沢山の評価をしてもらうこと。そうするには、
レストランのクオリティを、相対的に上げなければいけない。
全て今はそこしか考えられないですね。」

料理以外にも、パンや装飾、全てにおいてのクオリティを上げること
ハイクオリティなレストランを作る事
今の目標だそうです。

上を見たらきりがない、少しでも早く上に行きたい!それが濱野さんの目標。


なりたいものになるのに、一番大切なものはなんですか?


料理人である前に 人であれ

鉄人坂井シェフに常々言われていた言葉。
料理人は、レシピの数で決まらない、と言うことですよね。
料理人の器は心で決まる。濱野さんはこの言葉を大事にしているそうです。

料理の事だけではない、全ての事において必要な事ですね!!

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