革の魅力 基礎知識編 - 教えて!コンシェルジュ! | FM FUKUOKA
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革の魅力 基礎知識編

今回のコンシェルジュは福岡市中央区薬院にある
革製品のお店「ポルコロッソ」の企画担当池田さんです

ポルコロッソ詳しくはこちらへ→http://www.porco-rosso.co.jp/

今回は革の基礎知識を勉強しました!

「かわ」って「皮」と「革」があります。
これは何が違うんでしょうか?
池田さん
「皮(皮膚の皮、スキン)に鞣し(なめし)と言う工程を挟むと
革(レザー)になります。皮膚の皮の状態だと、コラーゲン、
脂肪分、体毛などが付いているので、時間が経つと腐ってきます。

なのでスキンのままでは製品にできなくて、鞣しと言う工程で
簡単に言うと腐らなくしてしまう、これをしないとレザーには
なりません。」
スキンとレザーの違いのポイントは鞣しですね。

では革にはどんな種類があるんでしょう?
池田さん
「本当に沢山あるんです。皆さん知ってる所で言えば牛革。
他にも、ヤギ、豚、鹿、蛇。高級なところで行くと
オーストリッチ(だちょう)、ワニ(クロコダイル)まで様々です」
今回ラジオ出演をするにあたり、池田さんも色々と調べてきてくれたのですが
そんな中で特に珍しかったのが「魚の革」だったそう。

では、スキンからレザーになる為の「鞣し」は
どういった工程を経ているのでしょうか?
池田さん
「ポルコロッソで使用している栃木レザーで言うと、
一枚の皮膚(スキン)の状態から、レザーになるまで
2,3か月。だいたい20の工程(細かくみると200くらい)を
経て、初めてレザーになります。
日本で使用している革はほとんど北米から仕入れています。
海外から入って来る時はスキンの状態。なのでまず洗濯して
洗浄して、で一枚の大きなスキンを半分にパカッと割ります(背割り)。
で、割った状態で加工しやすい状態にしてから脱毛。
濃度の違う石灰に 何日かごとに浸けていって、徐々に徐々に
繊維質を崩さないように毛を抜く、で脱毛したものをまた綺麗にして
その後鞣しと言う工程に入っていきます。
フルベジタブルタンニン鞣しと言う工程で言うと、植物の渋を
使って鞣していくんですけど、その工程を経る事で
スキンの皮からレザーの革に変わっていきます。」
ポルコロッソさんでは「ミモザ」の渋を使って鞣しているそうです。
しかも、この渋の濃度で革の色が変わってくるそうです。

また、牛にも黒毛とか白い毛とかあるじゃないですか?
それも「レザー」の色に影響されるそうです。
染めて乾かして・・・の工程を何回も繰り返していくそうです。

では「レザー」自体にも種類があるのでしょうか?
池田さん
大きく分けると「ベジタブルタンニン鞣し」というのと
「クローム鞣し」の2つがあります。

「ベジタブルタンニン鞣し」
ベジタブルだけに天然もの、というイメージで言うと
「クローム」は鉱物、科学的なものでなめしていく工程になりますので、
表現したいものが変わってきます。

皮本来の色が影響されやすいのが「タンニン鞣し」
イメージで言うと「水彩絵の具」
キャンバスに色が染み込むじゃないですか?染料なので
塗った色が生地にドンドン入っていくので、下地の色が
影響されます。

「クローム鞣し」は油性のペンキ、油絵をイメージしてもらえますか?
キャンバスの上に色をのせて、そのままの色を表現したい、と言う時に、
この革があっているんです。
なのでショッキングピンクみたいな色とか、鮮やかなスカイブルーとか
そういった色味を表現したければ、クローム鞣しの革を使うと言う形で
変わってきます。」

丁寧な説明、ありがとうございました。
でも牛革と言うのは元々は同じで、
鞣しの工程が違うと言う事なんですよね。
で、製品によって使い分けていく、と言う事なんでしょうか?
池田さん
そうですね。あと表現したい事ですいよね。
タンニン鞣しって言うのは、使えば使う程その人の
色になる、味が出るって言う・・・
ただクローム鞣しは逆にそれがないんですよ。
基本的に色が変わりません。
レディス系の可愛いバッグなどは発色の良い物で使っていく。」

あとバックスキンとか型おしとかあるじゃないですか?
池田
それは表面加工の違いです。
スウェード加工、クロコダイルの型押し・・・
色々教えていただきました。

今回は革(レザー)の基礎知識を伺いました。
次回も登場してくれます。お楽しみに!

パーソナリティ


今村敦子

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