匠の蔵~words of meister~の放送

デイゴホテル【ホテル 沖縄】 匠:宮城悟さん
2011年01月08日(土)オンエア
アメリカ統治時代に誕生し、現在も沖縄の歴史・人・文化を見守り続ける「デイゴホテル」の宮城悟さん。ベトナム戦争当時、沖縄市(当時のコザ)の多くのホテルがそうだったように、「デイゴホテル」も戦地へ向かう米軍兵士の中途宿泊ホテルとし利用されるが、時代と共に米軍関係の利用が減少。宮城さんは、観光客、ビジネス客、合宿の誘致などに営業方針を転換し、既存のホテルの概念にとらわれないサービスで、多くのリピーターを生んでいる。「現在のお客様の殆どが個人客であり、リピーターという状況です。旅行代理店を通した一般予約は10%ありません。手前味噌ですが、その訪れた人の心を掴む秘訣は、やはりサービスを徹底的に追及したことにあると思います」。そんな宮城さんは、ホテルに沖縄の空を鮮やかな朱色に染める夕日が眺められる大浴場を完備。また、朝食のバイキングを充実させるなど、様々なサプライズを訪れた人に提供している。「大浴場を作った時は、ホテルに大浴場なんて発想は、日本全国どこのホテルにもありませんでした。ホテルと言って上品に構えるのではなく、お客様の喜ぶ姿を想像した結果が大浴場だった訳ですね」。そうして、宮城さんは「日本一のB級ホテル」をキャッチフレーズに掲げ、ホテルと旅館のイイトコどりをしたようなサービスを追及。そして、そのサービスはホテルマンにも徹底する。「よく常套句で“お客様の立場になって考えろ”なんて言いますが、あまりに当たり前過ぎて、皆ピンと来ないと思うんですよね。ですから、ホテルマンには具体的にサービスの在り方を教えるようにしています。例えばお客様に『今日、どこかで食事をしたいんですけど、イイトコありませんか』と聞かれたら、『あの辺りに繁華街がありますよ』なんて言わずに、『何々という店に行けば美味しい料理が食べられますよ』って、具体的に教えて差し上げるように教育しています。そう言われた方がお客様も喜ぶだろうし、安心もすると思うんですよね。そして、その店に電話ぐらいかけてあげると、店も喜ぶし、多分、お客様にもよくしてくれるだろうし。ですから、ホテルマンには、『どんどん遊んで知識つけて来い』と言っています」。口先だけ...ましては形だけのサービスなんて意味がない。痒いところに手が届くような細やかなサービスを徹底して、多くのリピーターを獲得する宮城さん。その「日本一のB級ホテル」ならではの宮城さんの考えるサービスは、B級ならぬ超A級なモノだった。

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