匠の蔵~words of meister~の放送

小澤人形 匠:新山礼子さん
2005年02月26日(土)オンエア
「薩摩糸雛」を現代に伝える匠。「薩摩糸雛」とは、顔も手足もないシンプルな人形。400年ほどの歴史を持つ。元々、武家の人達のものだったが、のち庶民に広まる。一時は途絶えてしまったそれを、新山さんは、お母さんと一緒に復興させ、現代に受け継いでいる。物産展などを通じ、全国に薩摩糸雛を知らしめることができた。歴史ある薩摩糸雛には縁起物としての意味もある。たとえば、生まれた子供のために作るときは、麻で作る。→麻は丈夫な素材なので、子供が丈夫に育つように、との思いから、というように。また糸雛は、繊細な図柄が命。新山さんも描けるようになるまで、かなり苦労したそう。(特に、十二単の絵柄など…。)しかし、好きなことをやっているという思いのほうが強く、苦にはならなかった。以前、東京で開催された県の物産展に出品した際、東京の小学生に糸雛作りを教える機会があった。都会の子が鹿児島の伝統工芸品を楽しんで作っている姿を見て、自分でも感動を抑えられなかったそう。作って広める喜びを感じた出来事だった。薩摩糸雛の作者として、県から認定証を授けられている新山さん。だからこそ次につなげたい、守っていきたいという思いは強い。

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