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小中学生*の8割は 「学校が好き」 。 それでも半数近くは 「朝、学校に行きたくないと思うことがある」 。
公益財団法人博報堂教育財団
2025年9月2日
公益財団法人 博報堂教育財団 こども研究所
公益財団法人博報堂教育財団の調査研究機関:こども研究所では、全国の小学4年生~中学3年生を対象に、子どもをとりまくさまざまなトピックスについて、調査を実施しています。(一部項目は保護者にも聴取)
今回は、子どもたちに「学校」について聞きました。その結果、8割が「学校が好き」と回答しましたが、一方で、半数近くが「学校に行きたくないと思うことがある」と回答しました。行きたくないタイミングは「月曜日(26.8%)」が最も高い結果となり、一部の子どもには行きたくない気持ちが日常的なものであることがわかりました。
学校については「行くのが楽しみなところ」が5割の一方、「やりたくないことをやらされるところ」が4割と、複雑な気持ちがうかがえました。また、「修学旅行はあったほうがいい」が8割など学校行事には前向きでしたが、勉強は「みんなと同じ」より「自分の好きなことを」「自分の好きなペースで」が上回るなど、子どもたちの学校に対する要望も見えてきました。
*小学生=4~6年生※以下同様
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「令和の学校」調査結果のポイント
1.小中学生の8割は、いま通っている学校が「好き」。「好き」と「きらい」の分かれ目は、クラスや友だち、 先生などとの関係性。
2.一方で半数近くは「朝、学校に行きたくないと思うことがある」。行きたくないタイミングは、4人に1人(26.8%)が「月曜日」。
3.学校は「みんなで力をあわせるところ」6割、「行くのが楽しみなところ」5割。一方で「絶対に行かないといけないところ」「やりたくないことをやらされるところ」も4割と、複雑な気持ちが見え隠れ。
4.学校についての意見:修学旅行は8割、運動会は7割「あったほうがいい」と学校行事には前向き。一方、 勉強は「みんなと同じ」より「自分の好きなことを」「自分の好きなペースで」が上回る。
令和の学校」結果詳細
1.小中学生の8割は、いま通っている学校が「好き」。「好き」と「きらい」の分かれ目は、クラスや友だち、先生などとの関係性。
・いま通っている学校について、全体では「大好き(12.0%)」「好き(40.2%)」「やや好き(26.2%)」を合わせると、78.5%の人が「好き」と回答しました。
・小学生/中学生別で見ると、小学生が好き計で83.3%に対して、中学生が73.8%と10pt近く低くなりました。
・授業やクラス、先生、友だちなど学校生活への意識を、学校が「好き」と回答した人と、「きらい」と回答した人で比較すると、いずれも大きな差が見られました。 とくに、「クラスは仲がいい(「好き」と「きらい」の差分64.2pt)」「学校行事は楽しい(同62.0pt)」などで差が大きく、ほかに「授業が楽しい」「担任の先生が好きだ」、「仲のいい先輩・後輩がいる」、「友だち付き合いはつかれる」でも40pt程度の差が見られました。授業の難易度や校舎/設備への意識には差がないことから、学習上の困難や施設の問題よりも、クラスなどでの集団活動や友だち、先生、先輩・後輩などとの関係性が、学校の「好き」と「きらい」を分ける要因になっていることがうかがえます。
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2.一方で半数近くは「朝、学校に行きたくないと思うことがある」。行きたくないタイミングは、4人に1人(26.8%)が「月曜日」。
・学校がある日に、朝、行きたくないと思うことがあるか聞いたところ、「よくある(10.4%)」「ときどきある(34.9%)」を合わせて45.3%の人が「ある」と回答しました。
・小学生/中学生別で見ると、小学生より中学生のほうが、行きたくないと思うことがある計は9pt高くなりました。
・行きたくないと思うタイミングは毎週おとずれる「月曜日(26.8%)」が最も高い結果となり、一部の子どもには行きたくない気持ちが日常的なものであることがわかりました。
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3.学校は「みんなで力をあわせるところ」6割、「行くのが楽しみなところ」5割。一方で「絶対に行かないといけないところ」「やりたくないことをやらされるところ」も4割と、複雑な気持ちが見え隠れ。
・学校についての気持ちを、対立する項目AとBからそれぞれ選んでもらったところ、「A:みんなで力を合わせるところ(57.5%)」「A:行くのが楽しみなところ(47.4%)」「A:安心できるところ(44.2%)」といった学校に対する前向きな気持ちを示す項目が、対立する項目を10pt以上上回りました。
・一方で「B:絶対に行かないといけないところ(44.1%)」「B:やりたくないことをやらされるところ(43.6%)」も対立する項目を10pt以上上回り、「A:のびのびできるところ(40.3%)」と「B:きゅうくつなところ(37.1%)」は拮抗するなど、学校に対する気持ちの複雑さが垣間見える結果となりました。
※小学生/中学生別のスコアはプレスリリース(PDF)に記載
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4.学校についての意見:修学旅行は8割、運動会は7割「あったほうがいい」と学校行事には前向き。 一方、勉強は「みんなと同じ」より「自分の好きなことを」「自分の好きなペースで」が上回る。
・学校についての意見を、対立する項目AとBからそれぞれ選んでもらったところ、 「A:ほめてくれる先生がいい(78.5%)」が圧倒的多数となったほか、 「A:修学旅行はあったほうがいい(79.7%)」「A:運動会/体育祭はあったほうがいい(66.3%)」などの学校行事や、「A:学校に行って授業を受けたい(58.2%)」「A:まとまりがあるクラスがいい(57.6%)」など、学校における集団での活動を前向きに受け止めている子どもが多いことがわかりました。
・一方、勉強については、「みんなと同じ」より「B:自分の好きなことを勉強したい(47.4%)」「B:自分の好きなペースで勉強したい(53.5%)」が上回る結果となりました。
※小学生/中学生別のスコアはプレスリリース(PDF)に記載
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【参考】 「もし校長先生になったら何をしたいか」に1000を超える意見やアイデア。
最も多い回答は 「学校行事・イベントを増やす/力を入れる」。
・「もし校長先生になったら何がしたいか」を自由回答で聞いたところ、回答者1,200人中、9割近い子どもたちからさまざまな意見やアイデアが寄せられ、学校が「好き」だからこそいろいろ言いたい、という子どもたちの思いが伝わってきました。
・最も多かったのが「学校行事・イベントを増やす/力を入れる(78人)」。コロナ禍以降、学校行事の規模を縮小した学校もありますが、子どもたちには学校行事に対して強い思い入れがあるようです。
・そのほか「校舎・設備の改善(66人)」や、いまの学校のルールを緩和したり、自由にしたりするアイデアが多数見られました。また、「生徒の意見を取り入れる(26人)」という学校運営に対する提言もありました。
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調査結果に関する研究員コメント
昨今、不登校やいじめ、教員不足などで注目されることも多い「学校」ですが、当事者である子どもたちは「学校」についてどう思っているのか、気になっていました。結果を見ると、「学校が好き」と答えた子どもが8割と高い数字となりました。しかし、「好き」と答えた子も含め、学校にはいろいろ言いたいことがあるようです。いわゆる不登校の問題と一緒にはできませんが、4人に1人にある「月曜日」に学校に行きたくないという気持ちは、学校のあり方に対する子どもたちの問いかけなのかもしれません。 社会の変化を背景に、いま「学校」は大きく変わりつつあります。子どもたちにも、一人ひとりが自分らしくいられて、かつ“みんな”といることの意味が感じられる場所として、「学校」に要望や期待があることをあらためて感じました。(博報堂教育財団 こども研究所 上席研究員 福嶋由美)
トピックス調査「令和の学校」調査概要
◆調査手法 :インターネット調査
◆調査エリア :全国
◆調査対象者 :小学4年生~中学3年生とその保護者 ※調査にあたっては事前に保護者の承諾を得て行っています。
◆サンプル数 :有効回答数 子ども1,200人、保護者1,200人
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◆調査実施日 :2025年7月13日(日)
◆企画・分析 :公益財団法人 博報堂教育財団 こども研究所
◆実施・集計 :QO株式会社
◆調査パネル :株式会社マクロミル
公益財団法人 博報堂教育財団 こども研究所について
【公益財団法人 博報堂教育財団】
博報堂教育財団は、児童に対する国語教育と視覚・聴覚障がい者に対する教育を助成し、あわせてその活動に関する調査研究を行うことで、健全な人間形成に寄与することを目的に、1970年に財団法人博報児童教育振興会として誕生いたしました。その後、2011年に公益認定を受け、2020年に現在の名称に変更しました。
設立から50年以上を経た今日では、「子ども・ことば・教育」を活動領域ととらえ、設立以来の事業である、児童教育の実践者を顕彰する「博報賞」をはじめ「児童教育実践についての研究助成」「教職育成奨学金」「海外の子どもたちとの日本語交流や日本語教育支援」「社会啓発事業」「調査研究事業」など、さまざまな活動を行なっています。
【公益財団法人 博報堂教育財団 こども研究所】
博報堂教育財団こども研究所は、弊財団の調査研究事業の一環で、2017年に設立されました。独自の調査や実験的な取り組みによって子どもの姿をありのままに捉え、子どもたちの可能性について新たな発見をし、それを社会と共有することで、子どもに対する見方やイメージの枠を広げていくことを目指しています。
こども研究所ホームページでは、調査研究の結果を広く公開しています。
https://kodomoken.hakuhodofoundation.or.jp/
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プレスリリースPDF
https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M101784/202509014386/_prw_PR1fl_rR57KkA0.pdf
プレスリリースURL
https://kyodonewsprwire.jp/release/202509014386
本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。詳細は上記URLを参照下さい。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。