ブチカンガストロノミー研究所 7月3日 ホルモン
ガストロノミーとは、「食事と文化」全般について指すもので、食材、その食材を使った郷土料理と文化、それを出すお店、というふうに、食材を起点に「食べること」を追求していくものです。
近年では、「ガストロノミー・ツーリズム」と言って、現地に行かなければ出会えない料理を求めて旅行する方も増えてきました。
そんな福岡が誇る食材にスポットを当て、皆さんにも知って頂こうというコーナーです。
今回のテーマは、福岡県民が大好きな「ホルモン」です。
ということで、福岡食肉市場指定業者、福岡市東区にある会社「西村商店」の
西村美和社長、そして、専務の西村博晶さんにホルモンについてインタビューしてきました。
■西村商店について
創業約50年になる、国産ホルモン専門の食肉卸業者です。
国産内臓肉専門で、飲食店への卸売が中心となります。
一般へは、福岡市博多区南本町にある「まる味商店」で販売しています。
まる味商店
福岡市博多区南本町2丁目4
https://motu-nishimura.com/
https://www.instagram.com/marumi.store/
■なぜミノは外国産を使う店が多いのか?
一般的には和牛=国産の方が良いというイメージがありますが、ミノだけは外国産を好んで使う焼肉店も多いそうです。
その理由は、肉厚だから。
ミノは牛の第一胃です。4つある胃袋の中で最も大きい部位ですが、実際に焼肉として使える肉厚の部分は、国産牛では約1割程度しかありません。
それ以外の部分は、薄かったり硬いため、そのままでは焼肉には向かないので、ミンチ加工や加工食品などに利用されることがあります。
では、なぜ外国産のミノのほうが肉厚になるのかと言うと、飼料の違いです。
和牛は穀物中心の柔らかい飼料が多いため、胃をあまり使わずにミノが薄くなります。
しかし、外国では硬い牧草が中心になるため胃が活発になり、胃壁が発達し肉厚になるとのこと。
ただ、肉厚だとそのままでは食べにくいので、隠し包丁や細かい切れ込みを丁寧に入れることで食べやすくしています。
■ミノサンドとは?
ミノサンドもミノの一部です。
通常のミノはコリコリした食感を楽しむ部位ですが、ミノサンドは脂がしっかり付いた肉厚部分を使います。
そのため、ミノ特有の歯ごたえと脂の甘みの両方を楽しめる人気部位になっています。
■ヤンとは?
最近焼肉店でも見かける「ヤン」。
これは、ハチノス(第二胃)の出口にあり、消化物が次の胃へ送られる部分で、開閉する筋肉の先端部分を指します。
非常に希少で、1頭から取れる量は数百グラム程度しかありません。
鮑のような味わいがあり、焼肉店で見つけたらぜひ注文したい希少部位です。
■なぜタンは外国産を使う店が多いのか?
焼肉店で「USタン」「外国産タン」を使う店が多い理由は、圧倒的に流通量が多いからです。
牛タンは1頭から取れる量が非常に少ないため、国産だけでは需要をまかなうことが難しいです。
国産和牛タンは、脂が非常に多く柔らかいうえに、切るだけでも脂が見えるほどサシが入るという特徴があります。
一方で外国産は、脂が少なくあっさりしていて、人によってはこちらの方が食べやすいと感じる場合もあります。
つまり、人の好みによって国産、外国産を美味しいと感じる基準は変わるということです。
また、以前は外国産のほうが圧倒的に安かったのですが、近年は円安などの影響で、外国産も価格が高騰し、国産との価格差は縮まりました。
■仙台牛タンが有名になった理由
聞いた話として紹介された内容です。
昔はタンがあまり注目されていなかったため、価格も安く、「この部位を名物にしてみよう」という発想から広まったと言われているそうです。
来週もホルモンの話を続けます。
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