FM 福岡 FUKUOKA

BUTCH COUNTDOWN RADIO

ザ・メシュラン

「ブチカン」から生まれた人気グルメコーナー『ザ・メシュラン』!
パーソナリティ、MC BUTCHと謎のアジア人が、地道に真面目に食べ歩いた福岡のいい店、うまい店をご紹介。
「ブチカン」が総力を結集しておくるグルメ情報です。
※掲載している情報は、取材時のものです。価格等、内容に変更が生じる場合がございます。ご了承ください。

前回の放送 放送日:2024-04-26(金) 地域:中央区

渡辺通 あなん

TEL
090-6180-0823
住所
福岡市中央区渡辺通2-9-9 ニューガイア渡辺通BLDG.3F-2
ジャンル
和食
オープン日
2023年8月23日
席数
20席(カウンター6席)
営業時間
要予約 18:00~最終入店20:00 / ランチ 水曜・土曜 12:00一斉スタート

定休日:不定休
調査日
■2024年4月19日
■天候 晴れ
■時間 19時30分
URL
https://www.instagram.com/watanabedorianan/

内容

今日ご紹介するのは、電気ビルの裏通りにあるコースのみの日本料理のお店です。
ビルの2階にあり、モダンな建物とうってかわって、内装は塗り壁に木をふんだんに使った和の装い。
オープンキッチンのカウンター席は、店主の動きが見えてライブ感があります。
店主の阿南さんは久留米出身で、中村調理製菓専門学校を卒業後、福岡市内の和食のお店で1年、
そして、憧れの「分とく山」に直談判して弟子入り。
「分とく山」は、東京都港区南麻布にあるミシュランの星付きの日本料理店。
その料理長である野﨑洋光氏は、日本料理の世界のスーパースターです。
阿南さんは野﨑洋光氏に師事して「分とく山」に18年勤め、
追いまわしから始まり、最後の5年は本店の料理長までなり、昨年独立。
福岡へ戻り、このお店をオープンしました。この道19年。
この店は、季節を24に区切った二十四節気になぞらえて、
季節感が分かりやすい料理を提供することをコンセプトにしています。
だから、1年で24回、月にして2回メニューが変わり、その瞬間しかない食材を使うようにしています。
ちなみに、「分とく山」では、毎週メニューが変わっていたそうです。
食材は長浜や柳橋で仕入れ、醤油や味噌は地元・クルメキッコーのものを使っています。
旬の食材の味を活かした料理の数々を、大人な雰囲気の中で味わえるお店です。

チェック

要予約。基本前日まで。当日でも受け付けられる場合もあるが、仕入れによりお断りすることもある。
コースのみ。ショートコース13200円、おまかせコース19800円の2コース。

我々は、ショートコースを頼んだ

【ショートコース】(13200円)
「おまかせ」より2品少ないが、十分なボリュームはある。
内容は、季節によって変わる。

【タラの芽とアスパラの真挽揚げ】
真挽粉とは、もち米を蒸して乾燥した後に粉砕して煎ったもので、とても細かい粉。
タラの芽と生のアスパラガスに、真挽粉を付けて揚げたもの。
アスパラガスは生から使うのでしっかり揚げるが、美しい白色に仕上がっていた。
独特のカリッとした食感で、軽く振った塩が食材の旨味を引き出している。

【蛤の利休焼き】
千利休が白胡麻好きだったので、白胡麻を使う料理には「利休」と付くことが多い。
千葉県九十九里産の蛤を殻から外し、胡麻ダレを絡めて殻の中に戻してグリルで焼く。
胡麻ダレは、醤油、味醂、練り胡麻、出汁、ほんの少しのニンニクとラー油で作ったもの。
胡麻の香ばしさが食欲をそそり、美味しい。

【前菜】
だいたい4、5品出てくる。
「ホタルイカとスナップエンドウのお浸し」は、蛍手の器に盛り付けるという遊び心。
ホタルイカをお浸しにするのは珍しい。
「唐津産紫雲丹」は、佐賀産の自然薯をすりおろしたものを敷き、
その上に雲丹、そして、醤油のゼリーがのっていた。
「蛸の桜煮」は、柔らかく仕上がり、この時期ならではの桜色。
「あぶってかもの一夜干し」は、軽く炙っていて、細かい骨は全て取り除いているので、食べやすい。
かなり大きく脂がのってそうなものがあったので、購入したのだが、
実は、「あぶってかも」のことをあまり知らずに、普通の魚のように扱って苦労したとのこと。
「生麩と牛肉の照り焼き」は、よもぎ麩を牛肉スライスで巻き、照り焼きしたもの。
生麩は、日本料理の世界では、季節によって変わるもの。
もっちりした麩の食感が良く、ジューシーでこってりした味なので、お酒がすすむ。

【サヤエンドウのすり流し】
サヤエンドウは、緩く湯がいて裏ごしし、昆布出汁、水、薄口醤油、塩を溶いたものと合わせてすり流しにする。
鰹出汁は、サヤエンドウの味を邪魔するので使わないのが、この店らしさ。
昆布は、道南産の熟成させたものを使用している。
具材は、海老、筍、新生姜、葱、肉厚椎茸で、
新生姜のスライスが辛くなくて爽やかさがあり、いい仕事をしている。
自然で鮮やかな緑色が美しく、とても美味しい。

【お造り】
この日は、鯵、ヤリイカ、唐津産紫雲丹。
玄海産の鯵には、卸さずにスライスした新生姜を添えていて、鯵のクセを消して美味しい。
福岡産ヤリイカは、歯ごたえがあり、さっぱりしたもの。
醤油は、この店で合わせたまろやかな味のものが出てくる。
山葵があるので、お好みで。

【鮑の小鍋肝仕立て】
師匠である野﨑洋光氏が得意とした名物「鮑の磯焼」に倣い、必ず出している一品。
仕入れた活き鮑を提供する直前に低温で30分ほど蒸す。
外した肝はあまり鰹をきかせていない出汁でのばし、卵黄、醤油で味つけ。
小鍋に食べやすいようにカットした鮑と肝のソースを入れ、グツグツさせ、海苔を添えて出てくる。
海苔は、有明産の「香味干し」と言うばら干ししたものを、サッと炙って使っていた。
鮑の肝と海苔の磯の香りが食欲をそそり、鮑の味が引き立っている。

【土鍋ご飯】
この日は、帆立と桜の葉のご飯だった。
歯ごたえがある唐津産のコシヒカリを使い、水、薄口?油、酒と帆立の貝柱と一緒に土鍋で炊いたもの。
お米と帆立の旨味を味わうために、余計なものを入れない。
炊きあがったら、発酵した桜の葉の塩漬けを加え、プレゼンテーションがある。
帆立や桜の葉とお米を混ぜ、お碗によそって頂く。
この桜の葉の香りが季節感を出していて良い。
季節の香の物で、自家製のきゅうりの浅漬けと、新生姜の醤油漬け、
クルメキッコーの味噌を使った油揚げと葱の味噌汁も一緒に出てきた。
ちなみに1人1合分炊くので、残ったらおにぎりにしてお土産にしてもらえる。
これは師匠からの教えで、持ち帰って、家で食べて、お店でのことを思い出してもらえるようにというもの。
しかし、我々は完食してしまった。(それくらい美味しい)

【葛餅】
水、砂糖、葛粉で練ったシンプルな葛餅に、自家製黒蜜、うぐいす粉(きなこ)を添えたもの。
黒蜜は多良間島産の黒糖を使って灰汁も取らないのて、甘い中にほんのりとした苦みがあって良い。
それに八女のお茶を添えて出てきた。

■■攻略法■■
カウンターで店主の笑顔を見ながらお食事するべし。
この店の初心者はショートコースから頼んでみると良い。

■■チョッチュ■■
年配の方が多いと思うので、ドリンクメニューの字をもう少し大きくしてもらえないかなぁ。

■■オススメ店■■
阿南さん 港区南青山 炉端焼き 「たでの葉」

■■その他■■
客単価 : コースと飲んだだけ ショートコースで16000円くらい 

ゴールデンウィークは開いています
なんと料理教室もやっているので、興味がある方はお問い合わせください。

ビールは、瓶1200円から。
ハイボールは、1500円から。
日本酒は、1700円から。
焼酎は、1200円から。
ワインは、ボトル9900円から。

過去の放送はこちら