FM 福岡 FUKUOKA

2021年9月4日放送
「入院中、お世話になった看護師さんに50代の女性が宛てた手紙」

綾香さんへ。

早いもので、退院してもうすぐ1カ月。

入院中、綾香さんには本当にお世話になりましたね。 

家族もお見舞いに来られず、心細かった私にとって何よりの励みになったのが、

綾香さんの笑顔とやさしい言葉でした。

食欲がなく、ご飯をほとんど食べられなかった私に、こう声を掛けてくれましたね。

「子どもの頃、食の細い私に、お母さんがよく、おにぎりを握ってくれたんですよ。

同じご飯でも、ひと手間かけるだけで食欲がわくから不思議ですよね。

そうだ、明日はおにぎりにしてもらいましょう!」

綾香さんのさり気ない気遣いが、心に沁みました。

次の日、出てきたおにぎりを残さず食べてしまったことに、自分でもびっくり。

綾香さんは、自分のことのように喜んでくれましたね。

そこから気持ちがどんどん前向きになれたような気がします。

退院する前日、お母さんが中学生の時に病気で亡くなり、

それから看護師を目指すようになったと打ち明けてくれた綾香さん。

どう言葉をかけていいか分からなくて...。

あのとき、ちゃんと伝えられなかったことを、最後に書きます。

おにぎりに込めたお母さんの愛情が、綾香さんを通して、今度は私を元気にしてくれました。

きっとお母さんは、患者の気持ちに寄り添える、

素晴らしい看護師さんになった綾香さんのことを誇りに思っていますよ。