FM 福岡 FUKUOKA

2022年1月15日放送
「30代の男性が、地元の町のパン屋さんに宛てた手紙」

この正月、2年ぶりに帰省した際、あんドーナツのことを思い出して、お店を訪ねてみました。

看板は昔のままでしたが、シャッターが閉まっていました。

そういえば、お店は売り切れ次第閉店でしたね。

この季節になると、高校の寒げいこのことを懐かしく思い出します。

4日間、毎朝6時半から高校の周辺を走り、最終日は耐寒マラソンで締めくくりです。

寒げいこの帰りは、通学路にあるそちらのお店で、あんドーナツを買うのが楽しみでした。

おばちゃんのやさしい笑顔を見ると、なぜかホッとして、明日もがんばろうと思えたものです。

揚げたてのあんドーナツの温かさと、おばちゃんの「風邪引かないようにね!」という

明るい声のおかげで、3年間、寒げいこを乗り切ることができたと思います。

「少しでも安く提供したいから、お店は家族だけでやっているんだ。

あなたみたいに、おいしいと喜んでくれるお客さんがいる限り、

頑張ってお店を続けるよ」と言っていたおばちゃん。

あれから15年ほどたちましたが、今も相変わらずの人気店だそうですね。

懐かしく思い出しながら、一言お礼が言いたくなって、この手紙を書きました。