FM 福岡 FUKUOKA

2025年5月3日放送
「高校生の娘をもつ母親が、読み聞かせのボランティアをしている女性に宛てた手紙」

いまも児童館で読み聞かせをしていらっしゃると聞き、ご報告があって筆を取りました。

娘がまだ小さかった頃、グリム童話の「灰かぶり」が大好きで、

毎週のように篠田さんに「読んで~」とねだっていたことを懐かしく思い出します。

その「灰かぶり」を聞きながら私は、「最後は王子様と結婚するのに、

なぜ彼女は何度も舞踏会から逃げ出したのだろう?」と不思議に思っていました。

それを篠田さんに話したところ「灰かぶりは思春期の子どもの姿を語ってるからよ」と教えてくださいましたよね。

「灰かぶりはきれいな姿になって王子様に認めてもらえたのに、また灰まみれの汚い姿に戻ってしまう。

同じように思春期の子どもも、親が真面目になったと認めていたのに、急にサボるようになったり、

逆にダラダラしてるな~と思ってたら、やる気を出して驚かせたりと、揺れ動く振り子のようなものでしょう。

だから親は子どもと一緒に揺れ動くのではなく、悪い方へ行っても必ず戻ってくるから、

子どもを信じて見守ることが大切だってことを、灰かぶりは教えてくれているの」と。

まさにいま、あっち行ったり、こっち行ったりと揺れ動く、

思春期真っ只中の我が家の「灰かぶり」を前にして、篠田さんの言葉を実感しています。

じっと我慢しながら見守るのは、なかなか大変ですが、

不安になりがちな子育てを「大丈夫!」と安心させてくれた篠田さんには、感謝の言葉もありません。

どうぞ、お体を大切に、これからも素敵な昔話をたくさんの子どもたちに届けてくださいね。