FM 福岡 FUKUOKA

2025年5月17日放送
「50代女性が、ぬか床を分けてくれた叔母へ宛てたお礼の手紙」

今朝もぬか床を混ぜて、みんなが大好きなキュウリを漬けました。

それもあってか、少しぬか漬けの匂いが残る手で、この手紙を書いています。

「うちのぬか床は100年どころか、200年床よ」と、いつも言っていたお母さん。

朝晩、ぬか床を混ぜていた姿を今も懐かしく思い出しています。

そんなお母さんのぬか床をちゃんと受け継げなかったことが、

残念というより、ずっと申し訳なくて...

だから、叔母ちゃんが分けてあげると言ってくれたときは、本当にうれしかった。

そして、「私がいなくなったら、もう終わりかなと思っていたけれど、これで安心ね」という叔母ちゃんの言葉、

とっても心に響きました。

ぬか漬けの味は、それぞれの家庭で違うといわれるけれど、

届いたぬか床で漬けたキュウリは、香りも味もお母さんのとおんなじ。

どちらも、元はおばあちゃんのぬか床だから当たり前かもしれない。

でも、なんだかそこにずっと続いてきた家族の歴史というか、絆というか、

そんな深いものを感じたんです。

きっと、100年前も、その前も、

みんな美味しい、美味しいといって、ぬか漬けを食べていたんでしょうね。

長い間、家族への愛情と一緒に生き続けているこのぬか床を、

これからは私が守っていくので安心してくださいね。