2025年5月24日放送
「20代女性がふるさとにあるかかりつけ医の先生へ宛てた手紙」
ご無沙汰していますが、お元気ですか?
よく風邪を引いていたので、先生には子どもの頃から本当にお世話になりました。
先生の愛称は「赤ひげ先生」。
先生はただ病気を治すだけではなかったから、みんなに理想の医者の代名詞でもある
「赤ひげ先生」と呼ばれて慕われていたんだと、大人になって分かりました。
「情けは人のためならず」、この言葉を先生の口から何度も聞いたことがあります。
「親切にするのは、その人のためにならない」という意味だと思っていましたが、本当は
「人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、やがては良い報いとなって自分に戻ってくる」という
意味だったんですね。
それを実感する出来事がありました。
私はふるさとを離れて、介護施設で働いています。
私のお手本は、いつも、どんな人にも思いやりを持って接していた先生です。
なかなかこちらの思いが通じず、悲しい気持ちになることもありますが、
普段、無口な方が先日初めて、「いつもありがとう」と言ってくださったんです。
しかも、微笑みながら...。
今までの苦労がすべて吹き飛んだ瞬間でした。
今も現役で頑張っている先生のように、これからも思いやりの心を忘れず
介護の仕事を続けていこうと決意を新たにしています。
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