2025年7月19日放送
「車いすの男性が親切にしてもらったバスの運転手や高校生へ宛てた感謝の手紙」
先日、バスに乗ったときのことは、私にとって忘れられない出来事となりました。
私は20代の時に交通事故にあい、以来、もう20年近く車いすでの生活です。
不便なこともいろいろありますが、今ではこの生活にも慣れました。
ただ、人に迷惑をかけたくなくて、一人で遠出をするのは避けるようにしています。
それが、あの日はどうしても一人でバスに乗って移動しなければならない用事があったのです。
運転手さんにとって、車いすの乗客への対応は大変だと思います。
しかし、運転手さんはテキパキと車いす用のスロープを出し、
やさしく声をかけながら、車いすを押してバスに乗せてくれました。
それだけでも本当にほっとしたのですが、
車内で車いすを固定する際には、そばにいた高校生の皆さん数人がさっと手を貸してくれたのです。
お礼を言うと、ちょっとはにかんだような爽やかな笑顔が返ってきました。
障がいがあると、誰かに迷惑をかけるのではと、行動を躊躇してしまうことも少なくありません。
しかし、この日はみんなの、「障がい者が隣にいて当たり前」というような、さりげない対応が本当にうれしかった。
そして、勇気をいただきました。
名前も分かりませんが、私からの精いっぱいの「ありがとう!」が、あの日の皆さんに届きますように。
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