FM 福岡 FUKUOKA

2025年8月23日放送
「最後の夏の大会が終わった高校球児が監督へ宛てた手紙」

日高監督、最後は悔しい結果に終わりましたが、

監督からご指導いただいた時間は、僕にとって一生の宝物です。

入部当初、僕は周囲のメンバーのレベルの高さに圧倒され、

ずっとレギュラーになれないのではないかと、くじけそうになりました。

そんな時に監督が、音楽になぞらえて励ましてくれた言葉は、いまでも忘れられません。

「最近はリスナーの心を早く掴もうと、サビから始まる音楽が多いが、

イントロ、Aメロ、Bメロと繋いできた音楽にも必ずサビはやってくる。

もし、お前がレギュラーを奪える力がないと思うのであれば、

イントロからAメロ、Bメロと歌い継ぐように、一歩一歩ステップアップしていけばいい」と。

そして、「やっぱ音楽はイントロ、Aメロ、Bメロと盛り上がってきてから、

ド~ンとサビが来た方が心に響くだろ?」とも。

その言葉を聞いて、僕は焦ることなく、

目の前の課題を着実に克服する努力を積み重ねていこうと誓いました。

結局、最後の大会も代打での出場のみに終わりましたが、そこで打てた1本のヒットは、

まぎれもなく3年間の努力が実を結んだ、僕が奏でる音楽のサビといえるものとなりました。

長い人生においては、いま自分のいる場所は、まだAメロに入ったばかりかも知れません。

この先やってくる、人生のサビ、さらに大サビで素敵な音を鳴らせるように、次の夢に向かって頑張ります。

3年間、本当にありがとうございました。