2006年1月アーカイブ

1/29放送分 「食のもったいない」

あるお蕎麦屋さんでのことです。隣に座っていた若い女の子が「あぁ、おなかいっぱい。もう入らない」・・・。見ると、ごはんつきの蕎麦定食のほとんどを残していました。これは捨てられてしまうのだろうな・・・もったいないなと思いながら自分の蕎麦をたいらげました。テーブルの端をみると、「生わさび袋」という小さな袋がありました。それには「残った生わさびはご家庭にお持ち帰りください」と書いてありました。そのお店ではお蕎麦を注文すると、自分でおろす生わさびが付いていたのです。生わさびは殺菌力が大変強く、ビタミンCも豊富だとか・・。「残った生わさびは水を入れたコップの中に入れると冷蔵庫で2週間はもちます。お茶漬け、おさしみ、あえものなどにどうぞ」と書いてありました。そうしたお店の配慮に感心しながら、早速残った生わさびを袋に入れて持って帰りました。

日本では、購入した食品をそのまま食べずに捨ててしまったり、食べ残しで台所のごみになってしまうことが結構あるようです。
兵庫県の消費者団体が去年行ったアンケート結果があります。
「購入した食品を食べずに捨ててしまうことがあるか」との問いに対し、
「たまにある」が61.7%。「よくある」が8.2%。「ほとんどない」が29.8%。これに対して「もったいないと思う人」は86・6%でした。
また、高月紘(たかつきひろし)さんの「台所のごみ事情」によると、台所のごみの35.7%は食べ残しだそうです。
この食べ残しをお金に換算すると11兆円。日本国内で生産される食料12兆円をそのまま捨てていることにも考えられます。

「食のもったいない」をなくすには、家庭では、食品を買い過ぎない、作り過ぎない、食べ過ぎない、調理を工夫する。お店では自分のお腹の具合を考えて頼みすぎない。食べる為に生きている日本人もいれば、生きるために食べ物を求めている人たちも、世界にはたくさんいることを想いながら・・・。

1/22放送分 「見かけで判断??」

アメリカの心理学者メラビアンによると、人の印象は、目から入る情報:見た目やしぐさ、表情で55%が決まるそうです。残りは、38%が耳から入る情報:声の大きさや質、速さ、口調など。7%は言葉そのものだといいます。
つまり、「およそ半分は、見かけやしぐさなどで判断してしまう」ということでもあります。

電車の中の出来事です。
ミニスカートに茶髪、目には大量のマスカラ・・・・。少し前の言い方で言うと、「コギャル」風の女の子が座席に座っていました。途中、おばあさんが乗って来て彼女の前に立ちました。少しの間、時間がありましたが、彼女は恥ずかしそうに立ち上がり、席を譲りました。きっと勇気を出す時間が必要だったのでしょう・・・。
もうひとつ・・・。大型商業施設での出来事です。
小さな子供が買い物中風船をもらい、宙に浮かぶ風船を、嬉しそうに上下に動かして遊んでいました。保護者はその後ろで商品を選ぶのに夢中の様子・・・。
すると、風船が手から離れてしまい、天井に飛んでいってしまいました。
その子供が一生懸命飛び上がって、ひもをつかもうとするのですが、届きません。そこへ、3人組の「ちょっとワルそうなお兄ちゃんたち」が通りかかりました。そのうちのひとりが、ジャンプして、その風船を子供にとってあげました。
いずれも、見た目やしぐさで判断していた自分に気がつきました。

「人は見かけによらぬもの・・」
"人間の性質、性格、好み、能力などは、外見だけからでは判断できない。
外見とはまったく違ったものをもっているものである。"
という意味のことわざです。
見えるものの、その奥にあるものまで、見えるようになりたいものです・・・。

1/15放送分 「音楽の力」

今度の(土)(日)、1月21日と22日は、大学入試センター試験です。
国公立大学の入学試験は、1979年に共通一次試験が始まり、大学入試センター試験という方式になったのは1990年。今年で16年目です。今年の志願者は全国でおよそ55万人。うち福岡県では22805人、長崎県では6753人が試験に挑みます。本番に向けて勉強、体調管理とも最終チェックの段階でしょう・・・・。

去年の大学入試センター試験のことです。
その男子学生は、自分の為、そして余命数ヶ月の父親の為にも、是非とも国公立大学に入学しようと、試験に向けて勉強に励み、本番を迎える準備は万端でした。しかし、試験の数日前、献血用の血が足りないので協力してくださいと頼まれ献血をしたところ、出血が止まらなくなってしまい、当日試験を受けることができなくなってしまったそうです。自ら進んで、人助けのつもりでしたのに、大事な試験を受けることができなくなってしまった彼・・・。「誰のせいでもない・・。仕方がない・・。でも・・・。」彼はひどく落ち込み、何日も部屋にこもりました。誰とも会う気になれず、ずっと部屋で音楽を聞いて過ごしていたそうです。その時、心に響いた歌詞がありました。

「BROTHER 生きていくだけだよ  ためらうことなど何もないよ  
 それぞれの前にそれぞれの道しかないんだ・・・
 走れなきゃ 歩けばいいんだよ
 道は違っても ひとりきりじゃないんだ・・・・」
B'Zの「BrotherFood」の歌詞の一部です。この曲が、彼を1歩前へ踏み出す力になりました。道はひとつじゃないんだ。僕には僕の別の道がきっとあるんだ・・・。彼は今、大学ではなく、別の新しい道を歩んでいます。この曲を支えにしながら・・・。
人生をささえるもの・・・。音楽もそのひとつかもしれません・・・。

1/8放送分 「1.5倍の法則」

鹿児島県警は、若手に経験豊富な先輩とコンビを組ませて育成を図る「兄弟愛制度」(きょであいせいど)を去年(2005年)11月から始めました。
実務経験3年未満を「弟」、5年以上を「兄」をしてコンビを組ませ、兄役は、勤務時間内外で、職務質問の仕方などの実務指導から、私生活の悩み相談まで応じる制度で全国的にも珍しい取り組みです。

この制度は、薩摩藩の郷中教育(ごじゅうきょういく)<故郷の郷に、真ん中の中と書く、ごじゅうきょういく>に倣ったものです。
郷中教育とは、400年の歴史を持つ薩摩藩独自の青少年教育です。
郷中とは、今でいう町内会のようなもの。同じ地域の青少年を6歳から10歳、11歳から15歳、16歳から25歳の3つのグループに分け、1日のほとんどを同じ年頃や少し上の先輩たち一緒に過ごします。その中で、心身を鍛え、礼儀作法や武道を見につけ、勉学に勤しむというもの・・・。
負けるな、うそをつくな、弱いものをいじめるなということなど、人として生きていくために最も必要なことを、年長者は年少者に教えました。そして、年少者は年長者を尊敬しました。西郷隆盛ら、幕末や明治維新の日本を支えた多くの人材を輩出する源になりました。イギリスで生まれたボーイスカウトは、この郷中教育を研究してつくられたと言われています。

「1.5倍の法則」という言葉があります。自分よりうんと年が離れた人より、少し年が上の人の言うことなら、共感でき真似ができるそうです。だから、言う事も素直に聞き入れることができるとか・・・。
少子化が進む学校をはじめ、職場での取り組みも、「1.5倍の法則」・・・・。これから広がってくるかもしれません。

1/1放送分 「2006年流行語??」

あけましておめでとうございます。
2006年の幕開けです。いい話、心温まる話がたくさんある年になるといいですね。言葉には魂が宿ると言われていますが、風水学によると、「今年はいい言霊をたくさん発する人に幸運が訪れる」そうです。

その年の世相を反映し、話題となった言葉に贈られる「新語・流行語大賞」。
受賞やノミネートされた言葉を聞くだけで、その年のことが蘇ります。
去年2005年の大賞は、「小泉劇場」と「想定内・想定外」でした。その他、「クールビズ」「ブログ」「萌え?」など。ちなみに、2004年は「チョー気持ちいい」「気合だー」「サプライズ」「セカチュー」「負け犬」「冬ソナ」。2003年は「毒まんじゅう」「マニフェスト」「なんでだろう?」「へぇ?」などでした。

2006 年の流行語になったらいいなと、ある絵本専門店のオーナーが去年から子供たちに広めている言葉があります。その言葉とは「それはすごいな、りっぱだね!」。2005年3月にアリス館から出版された絵本のタイトルです。今年の干支でもある犬が、いろんな生き物に「大きくなったら何になるの?」と聞いて回ります。そのひとつひとつの答えに子犬は「それはすごいな、りっぱだね!」と言います。絵本の中に何度も登場するこの言葉は、読み聞かせの中で子供たちも一緒になって声に出し、大人気です。

大人も子供も、普段なかなか褒められることが少ない世の中。褒められるとやっぱり嬉しいものです。今年は、人をたくさん褒めたたえ、自分も回りも気持ち良くなる年になるといいですね。

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