BUTCH COUNTDOWN RADIO

放送日:2025-04-25(金) 地域:中央区
Teppan 福
- TEL
- 092-741-0305
- 住所
- 福岡市中央区春吉3-11-19
パノラマスクエア博多 210号
- ジャンル
- 洋食
- オープン日
- 2025年3月15日
- 席数
- 30席(カウンター5席、半個室あり)
- 営業時間
- 17:00~23:00(L.O. 22:00)
定休日:水曜日
- 調査日
- ■2025年4月11日
■天候 晴れ
■時間 19時30分
内容
今日ご紹介するのは、国体道路沿い、春吉橋近くにある飲食ビルの2階にある鉄板焼きのお店です。
ガラス張りになっていて、入口は正面ではなく横にあるので注意。
店内は、周りが気にならないように明るすぎない照明になっていて、
広いカウンターが印象的でバーのような雰囲気があります。
シェフの松岡さんは、ヒルトン福岡シーホークでキャリアをスタート。
ビュッフェ、宴会場、パティシエ部門を経験後、大名の鉄板焼き店、居酒屋、
さらにフレンチと多彩な現場を経て、この店の顔として厨房に立つことになりました。
鉄板焼き歴は5年、料理の道は12年になります。
肉は特定ブランドに偏らず、常に安定した品質を追求し、九州産A5ランク黒毛和牛を中心に、
魚介類や野菜などは、季節や旬を重視して、柳橋で仕入れています。
コンセプトは、美味しい料理とお酒をリーズナブルに提供するお店。
この店は、コースを頼む人もいるのですが、アラカルトが豊富なことがポイントです。
肉の部位を指定して食べられたり、魚介類や、フレンチの技法を使った鉄板焼きなどの創作料理も豊富で、
しかも、オーナーが広島出身ということで、広島の鉄板焼き店にあるようなメニュー(ブリスケ)もあります。
アクセスが良い場所にあり、カジュアルに鉄板焼きを楽しめるお店です。
チェック
アラカルトとコース
コースは、全5品の5,500円コース、全6品の8,800円コース、全7品の14,300円コース
前日までの予約で、1名様から受付
アラカルトの場合、チャージ500円
我々は、全6品の8,800円コースを頼んだ
【8,800円コース】
全6品 : 前菜、魚料理、肉料理2種、御飯、デザート
【肉寿司】
メニューには書いていなかったが、出てきてびっくり。
和食で言うしのぎのようなもの。
この日は鹿児島県産A5ランク和牛のザブトンを使用し、1貫ずつ異なる味わいの肉寿司を2貫提供。
1貫目「和牛ザブトンの炙り寿司」
肩ロースの希少部位であるザブトンを握りやすい大きさ薄さにカットし、
赤酢を使ったシャリと握り、 表面を香ばしく炙って、煮切り醤油を塗っていた。
炙ることで脂が香り立ち、煮切りの甘さで肉の旨味が引き立ち、とろけていく。
肉、煮切り、シャリの相性も良い。
2貫目「ポルチーニとクリームチーズソースの肉寿司」
肉を赤酢のシャリで握るまでは同じなのだが、味付けが違う。
こちらは、濃厚なポルチーニ茸のペーストとまろやかなクリームチーズのソースをのせ、
最後に芽葱を添えていた。
ポルチーニの香りがよく、クリームチーズのコクが加わり、旨味に厚みが増すが、
芽葱が爽やかに全体を締めてくれる。
前菜3種盛り
一皿に盛り付けて出てきた。
【和牛フレークのコールスロー】
玉ねぎベースのオリジナルドレッシングで和えたコールスローの上に、
A5ランク九州産和牛の赤身を低温調理し、しっとりとしたフレーク状にしてたっぷりとのせる。
お肉のコクを残しつつも、ドレッシングの軽やかな酸味とキャベツの甘味でさっぱりまとまっている。
【エゾアワビのコンフィ ラタトゥイユソース】
北海道産エゾアワビをコンフィ(低温のオイル煮)し、柔らかく仕上げる。
茄子、ズッキーニ、トマト、ピーマンなどを細かく刻んで煮込んだラタトゥイユは、クタクタにしてソースに。
アワビの磯の香りとラタトゥイユの旨味が相まって、ワインなどに合う一品。
【旬野菜のスフォルマート アンディーブ添え】
スフォルマートは、卵、チーズ、牛乳、野菜のピューレを使って蒸し焼きしたイタリアの「洋風茶碗蒸し」。
玉葱を炒めてピューレにし、ベーコン、牛乳、卵、粉チーズと合わせて蒸し焼き。
アンディーブ(チコリ)と一緒に出てくるので、バーニャカウダのような感覚でディップして食べる。
アンディーブのほろ苦さが濃厚なスフォルマートを引き立てていた。
“肉・魚介・野菜”という異なる素材をテーマにしつつ、調理法も味付けも異なるので、
1皿でまるで三品の小コースを食べたような満足感がある。
【鯖のパイ包み】
「鉄板焼き」というジャンルにおける「魚料理のアップデート」を目指して誕生した一品。
鮮度の良い国産鯖を昆布締めして、余計な水分と臭みを抜く。
ネギ入りの手作り生地で作ったパイで、昆布締めした鯖を筒状に包み、オーブンで焼き上げる。
外はサックリ、中はしっとりふんわり仕上がり、昆布の旨味と重なる鯖の味も、香ばしい焼き目も良い。
このパイの下に、アイオリベースのマスタードソースを敷いているので、お好みで。
このソースは、卵黄、ニンニク、オリーブオイルに、
ディジョンマスタード、ジャガイモのピューレを加えたもので、
ピリッとしたマスタードのアクセントに、まろやかな芋の甘みが加わり、
パイの濃厚さに寄り添い、脂の乗った鯖の後口もさっぱりさせてくれる。
添えていたピーテンドリル(スナップエンドウの若芽)を途中で食べると、ほのかな青さが春らしくて良い。
途中でこういうものが出てくると、飽きがこなくて良い。
【牛タンシチュー】
3日間仕込んで作った渾身の一品。
「タンはアメリカ産が最も柔らかく安定している」という理由から、アメリカ産牛タンを使用。
1日目は、臭みを抜きつつ、タン自体に優しく火を入れるため、
牛タンを香味野菜とともに一度煮て、タンと煮汁(=出汁)のベースに分けて保存。
2日目は、赤ワインを煮詰めてソースのベースを作り、前日にとった出汁と合わせ、
そこにタンを戻してじっくり煮込み、冷蔵庫で一晩寝かせ、味を染み込ませる。
3日目、サーブ直前にゆっくり温め、タンの繊維が解ける直前まで火入れし、
ボイルしたブロッコリーとともに皿に盛り付ける。
タンは厚くカットされているが、噛むとホロホロと崩れるような柔らかさになっている。
肉の旨味とワインの果実味、ほんのりとした酸味と渋味が複雑に交じり合う。
この3日間の工程にシェフのこだわりが見える。
【和牛ランプステーキ ほうれん草クレープ包み】
九州産A5ランクのランプ肉を、鉄板で焼き上げ、ほうれん草を練り込んだクレープで巻くスタイル。
ランプはモモ肉の一部で、赤身の旨味がしっかり感じられる部位。
脂は控えめだが、しっとりとした食感と深い味わいが特徴で、それを損なわない火入れ。
緑がかって、見た目にも鮮やかなクレープ生地で包むことで、
ほうれん草の土っぽい甘さが肉の旨味をよく引き出している。
添えているのは、カボチャ、長芋、ズッキーニなど、季節の野菜を鉄板でグリルしたもので、
焼き野菜ならではの甘みと香ばしさが、皿全体を優しく支える。
ソースは、ワインを煮詰めて旨味を凝縮させたクラシカルな赤ワインソース。
コクの中にほんのり甘味を感じて、肉の味にとても合う。
【福の箱詰めガーリックライス 鯛だし茶漬け】
締めの一品として、陶器の二段になったお重と出汁ポットが登場。
下の段には、鉄板で香ばしく炒め、シェフ特製の「ガーリック醤油」で味付けしたガーリックライス。
このタレは複数の醤油や調味料を合わせて寝かせた自家製ブレンド。
下からガーリックライス、岩海苔と釜揚げしらす、ガーリックライス、大葉の千切りと重ねていて、
海苔弁のような感じになっていて、海苔の香り、しらすの塩気がガーリックライスととても合う。
ちなみに、北海道の「のり弁の聖地」から着想を得た組み合わせだそう。
上の段には、甘辛くてコクがある自家製肉味噌と、パプリカの塩昆布漬けが入っていた。
パプリカの塩昆布漬けは、シャキッとした食感と塩味で、ガーリックライスのアクセントになる。
出汁ポットに入っているのは、鯛の出汁。
最初は、そのままで食べ、次に肉味噌やパプリカで味変し、最後は出汁茶漬けで頂く。
出汁をかけることで、ガーリックライスが一気に海の味になるのが素晴らしい。
「ごはんの量、けっこう多めかも?」と思いつつ、ひと口ごとに変化を楽しめるので、ペロリといける。
デザート【いちごの春巻】
自家製カスタードとフレッシュな苺を求肥で包み、さらに春巻きの皮で包んで揚げて、食べやすくカット。
それに、クリームチーズとフランボワーズソースを合わせ、フレッシュな苺を添えて出てきた。
言ってみれば、「揚げいちご大福」な感じで、遊び心があって良い。
■■攻略法■■
この店の初心者はコースを頼むと良い。ひと通りこの店の料理が分かる。
鉄板焼きでは珍しく、アラカルトが充実しているので、好きな肉や一品料理をじっくり楽しむことができる。
■■チョッチュ■■
カトラリー置き、箸置きなどがあればいいなぁ。
■■オススメ店■■
松岡さん 春吉 「Trattoria tano」
■■その他■■
客単価 : 飲んで食べて 9,000円前後
ビールは、生660円から、瓶880円から。
サワーは600円から、ハイボールは660円から。
焼酎は、グラス600円から。
日本酒は、880円から。
ワインは、ボトル3,300円から。
人気メニュー ベスト3
3位 : 【ランプまたはイチボの鉄板焼き】(2,970円?3,520円くらい)
2位 : 【福の箱詰めガーリックライス 鯛だし茶漬け】(1,320円)
1位 : 【鯖のパイ包み】(1,100円)