BUTCH COUNTDOWN RADIO
放送日:2026-01-30(金) 地域:博多区
一輩子吉華
- TEL
- 092-600-0599
- 住所
- 福岡市博多区美野島2-3-14
- ジャンル
- 中華
- オープン日
- 2023年4月10日
- 席数
- 12席(昼は16席)
- 営業時間
- 11:30~14:15(L.O.14:00) /
18:00~ (※ディナーは基本的に予約制)
定休日:水曜日、日曜日、祝日、不定休
- 調査日
- ■2026年1月16日
■天候 晴れ
■時間 19時30分
内容
今日ご紹介するのは、美野島の小柳通り沿いにある四川をメインにした中国料理店です。
通りを歩いていると現れる鮮やかな青の扉が目印。
店内は、カウンター席とテーブル席があり、空間を贅沢に使っているので、隣が気になりません。
店名の「一輩子(イーペイズ)」とは、「一生」や「生涯」を意味する言葉。
つまり、修行先である「吉華の料理と中国料理に一生身を捧げる」という決意が込められた店名です。
店主の明石さんは、料理学校を卒業後、四川料理の名店「吉華」に入り、
久田大吉さんのもとで5年間修行。
この間に中国語も勉強し、本場中国へ。四川省成都市のレストランに入り、
現在ミシュラン1つ星の「柴角会」で腕を振うシェフのもとで研鑽を積み、
失われつつあった古典四川料理や家庭料理の手仕事を中心にみっちり学んで帰国。
「吉華」に戻り、さらに、東京で北京や広東料理のお店も経験し、福岡へ戻り、この店をオープン。
この道25年。
最初に言っておくと、ランチとディナーでは、出している料理が全く違います。
ディナーの料理のコンセプトは、中国料理を食べてもらうお店。
師匠である久田大吉さんから学んだこと、中国で学んだことを受け継いで料理を提供しています。
花椒や唐辛子、豆板醤などの調味料も、自ら中国で買い付けたもので、
派手さや分かりやすさよりも、「また食べたくなる余韻」を大切にしています。。
どの料理もお酒にとても合うので、呑み助はたまりません。
中国料理としての文脈と技法を正面から受け継いだ、正統派の料理を福岡にいながら楽しめるお店です。
チェック
アラカルトとコースだが、夜は予約必須(前日までが望ましい)
コースは、2名様からの予約で、
「吉華」(5,500円)、「芙蓉」(8,800円)、「富貴」(13,200円)、「おまかせ」(30,000円から)の4コース。
ただし、「富貴」、「おまかせ」は、料理の内容が決まってなく、
初回のお客様は好みが分からないため、予約することができない。
まずは、人気である「芙蓉」から頼むと良い。
ノーチャージだが、夜はワンドリンク制
我々は、「芙蓉」(8,800円)を頂いた
中国料理の美味しさをコース全体で堪能できるよう、看板メニューを軸に、その時の旬の食材に
中国伝来の香辛料を絡ませて仕上げた料理を組み合わせて出てくる。
【前菜四品】
「赤ナマコの椒麻ソース」
四川料理に伝わる「24の味の型」の一つ「椒麻」で仕立てた一品。
山椒、青葱、生姜を包丁で徹底的に叩いてペースト状にし、「椒麻」を作る。
ソースの香りと粘度を守るためミキサーは使わず、手仕事にこだわっている。
そのソースに醤油と砂糖を合わせ、薄くスライスした赤ナマコと和えたもの。
彩りで、上に千切りした紅芯大根をのせていた。
ナマコの磯の香りに、山椒の清涼感が重なり美味しい。
酒のあてにもぴったり。
「花咲クラゲの紹興酒漬け」
花咲クラゲは、食感が特徴の食用クラゲの頭の部位。
塩漬けの花咲クラゲを戻し、紹興酒、醤油、香辛料、少量の砂糖に漬け込む。
コリコリとした歯切れが心地よく、後味はすっと切れる。
「自家製四川腸詰」
鹿児島産黒豚肩ロースを使い、冬場に仕込んだ四川式腸詰。
粗挽きした黒豚、唐辛子、四川の香辛料、無花果などを腸詰し、乾燥・熟成させる。
腸詰は提供前に蒸して、ガラス製の皿の上に糸島産のベビーリーフを散らし、
白ワインビネガー、蜂蜜、塩、葱油を振り、その上にのって出てくる。
本来ボイルする腸詰を、蒸すことで旨味の流出を防いでいる。
干し肉特有の凝縮した旨味と、ほんのり甘味のある香辛料の使い方が印象的。
ベビーリーフの鮮やかな緑色と、腸詰の深い赤褐色のコントラストも良く、見た目もキレイ。
「鰆の五香粉上海風」
1900年代初頭、上海にケチャップが伝来した歴史を踏まえた古典的中国料理。
衣をつけて高温で揚げた鰆の切り身を、
醤油、砂糖、紹興酒、五香粉、ケチャップを使った上海風ソースでゆっくり煮込む。
濃い照りのあるソースが主役で、ふっくらとした身に甘酸っぱいコクが染み込み、
甘さ、酸味、旨味のバランスが良く、脂っぽさはない。
クラシックだが古臭さは全く感じない。
蒸しスープ【汽鍋蒸し 鶏と干し貝柱の滋養スープ】
「汽鍋」は、中央に蒸気穴がある土鍋で中国の伝統的な調理器具。
水を加えずに下の鍋から上がってくる蒸気だけでじっくり蒸し上げるため、旨味が凝縮される。
この鍋に、ボイルした親鶏、干し貝柱、蓮根、クコの実、
ナツメ、竜眼(漢方・ドライフルーツ)などを入れ、6時間ほど蒸す。
身体の奥に静かに効いている感じのスープは澄んだ旨味があり、薬膳特有の癖はない。
点心【餃子】
ニラと黒豚の挽肉を使ったオーソドックスな焼き餃子だが、季節のものになる。
中国では昔のお金に形が似ていることから、金運を願って正月のお祝いに食べるもの。(ただし茹で餃子)
なので、年末から作って、なくなったら提供は終わる。
皮の中に餡がパンパンに詰まっていて、肉汁もたっぷりで美味しい。
「麻辣ソース」が出てくるので、お好みで。
海鮮料理【ミル貝と台湾高菜、ズッキーニの塩炒め】
福岡で作られている台湾高菜は下茹でし、ズッキーニは揚げておく。
生のミル貝、ミニトマトに火を通し、台湾高菜とズッキーニを加え、塩を振り、強火で炒める。
ミル貝の甘味に、台湾高菜のほろ苦さが重なり、味付けはほぼ塩のみだが、美味しい。
食材を同じ大きさにカットすることで、食感の違いも楽しめる。
肉料理【牛イチボ肉の甘酢唐辛子炒め(宮保風)】
本来は鶏肉で作る四川の代表料理「宮保鶏丁」を牛イチボ肉でアレンジ。
宮保鶏丁は、鶏肉、ナッツ、乾燥唐辛子、花椒を炒めたもの。
牛肉は揚げ、山椒油でゆっくり炒め、葱、生姜、にんにくの芽、
エリンギ、つぼみ菜、唐辛子を加え、甘酢を絡めている。
四川で買った2種の唐辛子を使い、それぞれの特徴を活かして香りと刺激のバランスを取っていた。
辛さはほどほどだが、とても食欲をそそる香りが立っていた。
【本豆苗の塩炒め】
我々が普段目にする「豆苗」は、「もやし豆苗」と呼ばれる. 水耕栽培のスプラウトになる。
「本豆苗」は、細く、しっかりしたツルがあるエンドウの若葉や茎の先端を摘み取った野菜。
中国では、春の高級野菜として珍重されている。
これも福岡で作られているが、固いものが入らないように手摘み。
それを山椒油を使って炒め、味付けは塩のみ。
ほんの少し片栗粉を加えることで、残った水分を鍋に付け、黄金の焦げの香りとコクを野菜に移す。
広東料理の周富徳さんが得意としていた技法。
シャキシャキした食感で、ほんのり甘味があり、焦げの香りとコクが加わり、奥行きのある味わいになる。
【四川麻婆豆腐】
豆?は丸のまま使用し、しっかり蒸してから水分を切り油に漬けておく、吉華伝統の手法。
また、スープは少なめで、わざと鍋底を焦がす「火毒」という技法を使い、
その上は滑らかに仕上げ、香ばしさと深い旨味を出している。これが本当の麻婆豆腐。
ミンチも粗目で肉肉しく、香辛料の味に負けていない。
辛味、旨味、香りの輪郭がはっきりしていて、味わい深い。
シンプルな炒飯が出てくるので一緒に食べると、御飯の甘味で麻婆豆腐の味が際立つ。
この炒飯も絶品で、余計な物がないにも関わらず、火の入れ方、卵や米のほどけ方、
味付けなど、文句のつけようがなく、単品でも頼みたいくらい。
デザート【紅茶プリン 林檎のコンポート添え】
茶葉から丁寧に抽出した紅茶を使ったプリンは少し固めで紅茶の香りがしっかりしている。
甘さは控えめだが、上にのった林檎のコンポートでバランスを取り、コースを穏やかに締めくくる。
いつもは杏仁豆腐のことが多い。種からキチンと作っている。
■■攻略法■■
まずは前日までに予約して、「芙蓉」(8,800円)を頼むべし。
辛味が苦手な人は事前に相談すると調節してくれる。(我々も調節してもらっている)
我々の時は、気を遣ってくれて、それぞれ個々盛りで料理が出てきました。
ただ、中国料理は、大皿ならバリエーションも増えるとのことなので、予約時に大皿でもOKと伝えるべし。
■■チョッチュ■■
お店は空間をとても贅沢に使っていて、テーブル間も広々です。
ただ、シンプル過ぎるので、観葉植物などを置くと、温かみも出て、アクセントになっていいかなぁ。
■■オススメ店■■
明石さん 大橋 「イタリア食堂 sacco(サッコ)」
■■その他■■
客単価 : コースと飲んだだけ 我々のように8,800円のコースを頼んで、13,000円前後
お一人でされているので、混んでいるとお待たせすることもあります。
美味しい料理のためなので、文句を言わないように。(できればコースが助かります)
ビールは、瓶770円から。
ハイボールは715円から、サワーは660円から。
焼酎は、グラス770円から。
紹興酒は、グラス715円から、ボトル5,500円から。
特に「云集(ウンシュウ)」という紹興酒は、ノンキャラメルでリーズナブルで飲みやすい。
ワインは、ボトル6,050円から。(薬院「ラタフィア」吉村智美氏セレクト)