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2023年3月のテーマ 筍 ①

ふくおか グルメ手帖。
この番組では、毎月旬の食材を取り上げ、様々な角度から紹介していきます。
3月の食材は、春の味覚を代表する「筍」です。



タケはイネ科タケ亜科に属する多年生の植物です。
日本にも古くから自生し、古事記や日本書紀にも、筍が食用や薬として利用されてきた記録があります。
そして、その数600種類以上あると言われていますが、食用になっているのはごくわずかです。
日本で主に食べられているのは、孟宗竹。
中国原産で、江戸時代に導入されたという記録があります。
他には、メンマにする麻竹、そして、孟宗竹からズレて梅雨前に出ている真竹、淡竹、根曲がり竹、夏に出てくる寒山竹、秋の四方竹などがあります。
それらに共通するのは、地下茎から生える若い芽を食べるということ。
そして、生で食べたり、蒸したり、炊いたり、漬物にするなど、他の野菜にはないくらい料理のバリエーションも豊富です。

さて、この筍。
天候とは別に毎年豊作と不作を繰り返す不思議な植物です。
筍が豊作となるのを「表年」、不作となるのを「裏年」と言い、孟宗竹が2年に一度、古い葉が落ち、新しい葉が芽吹くことと関係していると言われています。
ただ、この表と裏は地域によっても違いますし、味に差があるわけではありません。
筍が出回り出して、「ちょっと安いかもと思う時は、表年」くらいに考えてくださいね。

不思議と言えば、竹はイネ科の植物であるため、他の植物にはない特徴がたくさんあります。
例えば、草のように成長が早いのは、それぞれの節が成長しているから。
つまり、節の数が多ければ多いほど、早く伸びることになります。
筍の漢字は、「旬が10日間」という意味で、それ以上日にちが経つと竹になるため食べられなくなることから付けられました。
この筍にあやかって、私もすごいスピードで成長したいですね。