FM 福岡 FUKUOKA

2023年12月のテーマ 鰤 ③

この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「鰤」です。


中村調理製菓専門学校 黒木晶子准教授にお伺いしました。

中村調理製菓専門学校

福岡市中央区平尾2-1-21

092-523-0411


https://chori.nakamura-s.ac.jp/

鰤の栄養
良質のタンパク質や脂質、血液の流れをよくする効果が期待される不飽和脂肪酸、DHA、EPAを多く含みます。
DHA、EPAを効率よく摂取するには、刺身や海鮮丼など、生で食べることが一番です。

鰤を扱う時に注意すること
鰤にはうまみ成分のヒスチジンというアミノ酸が含まれています。
このヒスチジンは鮮度が低下するとヒスタミンに変わり、アレルギーの原因になりやすいです。
また、鰤などの青魚にはトリメチルオキサイドという成分が多く含まれ、鮮度が低下するとトリメチルアミンに変わり、魚の生臭みの原因になりやすいです。
ということで、鮮度がよいうちに食べるようにしましょう。
保存する場合は、塩をして冷蔵するか、密封して冷凍してください。
また、鰤を加熱するときは、火を通しすぎないようにしてください。
青魚は繊維が細いので、加熱しすぎると身が締まって固くなります。



博多では昔から
おせち料理の準備で鰤をさばき、半身はお刺身や照り焼きにして、残りは塩をして保存しておきました。
正月三が日は、その塩ぶりを茹でて、雑煮に使っていたようです。
鰤の鮮度を落とさず効率よく使う、先人の知恵です。

鰤の豆知識
鰤は出世魚ですが、西日本では、大きさによってツバス、ハマチ、メジロ、ブリと変わっていきます。1mくらいに成長したものをブリと言い、50cm前後のものをハマチと言います。ところが、東日本では、養殖の鰤のことを「ハマチ」と呼びます。これは養殖の鰤が50cm前後まで育てて出荷されることから来ています。