2025年4月のテーマ 鰆 ③
この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「鰆」です。
中村調理製菓専門学校 日本料理担当 島村公大先生にお伺いしました。
中村調理製菓専門学校
福岡市中央区平尾2-1-21
092-523-0411
https://chori.nakamura-s.ac.jp/
◆鰆の栄養について
鰆は青魚に多く含まれるDHAやEPAが豊富に含まれています。DHAやEPAは血流改善の効果が期待できます。またカルシウムの吸収を助ける働きがあり、骨や歯を形成するのに必要なビタミンDも多く含まれています。
◆鰆の鮮度や身質が良いものの見分け方などについて
鰆は傷みが早い魚になります。傷んだ鰆の身は色が白く濁り、身が割れています。ただ脂ののった旬の鰆の身は元々白いので美味しい鰆も、身が劣化した鰆も白いという表現になってしまいます。なので身の透明感や艶があり、血合いの色が鮮やか、かつ身が白い、鮮度と脂のりの良い鰆を選びましょう。
また鰆の幼魚をサゴシといいますが脂が少ないことが多いため、プロの料理人はサゴシではなく脂ののりが良い大型の鰆を好む場合が多いと思います。
◆鰆を料理する時のポイント
鰆は刺身でも加熱しても美味しい魚ですが、先ほどお話ししたように脂ののりに大きく味わいが左右される魚です。脂ののりがよいサワラは特に工夫をせずに美味しいです。ただ脂ののりがイマイチな鰆は加熱するとパサパサした食感になります。脂ののりが十分ではない鰆やサゴシを加熱する場合は油と合わせる料理にする、または加熱しすぎに気を付け、水分の損失を抑えるなどの工夫が必要かと思います。
◆先生だから知っている「鰆」の豆知識など
鰆と聞くと岡山県民、熱愛の食材というイメージがあります。全国の鰆の約1/3が岡山で消費されるようで「サワラの値段は岡山で決まる」などと言われます。ただ2022年の調べでは岡山県の鰆の漁獲量は全国47都道府県の内32番目と全国的に見ても少ない方になります。それに比べて福岡は京都、福井に次いで漁獲量が3番目と全国的に見ても鰆が良く取れる場所なんです。癖もなく非常に食べやすい魚で、本当に美味しい旬の鰆は他の高級魚をしのぐ美味しさがあります。是非、積極的に召し上がっていただきたい私も大好きな魚の一つです。