2025年6月のテーマ イサキ ③
この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「イサキ」です。
中村調理製菓専門学校 日本料理担当 島村公大先生にお伺いしました。
中村調理製菓専門学校
福岡市中央区平尾2-1-21
https://chori.nakamura-s.ac.jp/
◆イサキの栄養について
イサキには筋肉や血管、内臓や骨をつくるタンパク質が多く含まれています。
またDHAやEPAも含まれており、DHAには脳や目の網膜をはじめとする神経細胞に効果があり、EPAはコレステロール値の安定に役立ち、血栓を防いで高脂血症や動脈硬化などの循環器病の予防効果があります。
◆イサキの鮮度や身質が良いものの見分け方
イサキは表面に艶があり、張りのあるものを選びます。
魚の鮮度を見極める時、目の透明感があるものは鮮度が良く、白く濁っているものは悪い、とされることが多いですが、イサキは鮮度が良いものでも白く濁っていることが多いので、目の状態で鮮度を見極めることが難しいと言われています。
◆イサキを料理する時のポイント
イサキは刺身、塩焼き、煮魚など、どのような調理法にも合いますが、やはり魅力はふっくらとした身質と皮のうまさだと思います。
刺身にする時は身に皮をつけたまま、皮目だけに湯をかける皮霜造り、皮目を炙る焼き霜造りで食べることをお勧めします。
◆先生だから知っている「イサキ」の豆知識など
とても美味しいイサキですが骨が非常に鋭くて固い魚だと言われます。イサキには「鍛冶屋殺し」という恐ろしい異名があります。昔、イサキの骨が喉に刺さって亡くなった鍛冶屋がいたとか、イサキを卸すたびに包丁が欠けて包丁を研がなければならないので鍛冶屋が大変になるとか、由来は諸説あります。
博多の言い伝えで「イサキは北向きで食べろ」というものがあるのですが、イサキの骨が喉に詰まると命取りになるというところからきているようです。
イサキにだけ言えることではないのですが、煮魚や焼き魚を食べる時は骨に気をつけてください。