2025年7月のテーマ うなぎ ③
この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「鰻」です。
中村調理製菓専門学校 日本料理担当 島村公大先生にお伺いしました。
中村調理製菓専門学校
福岡市中央区平尾2-1-21
092-523-0411
https://chori.nakamura-s.ac.jp/
◆鰻の栄養について
鰻にはビタミン・ミネラルが多く含まれています。特に免疫力を高めるビタミンA、疲労回復に役立つビタミンBが豊富です。また鰻の皮に多く含まれるコラーゲンには、肌の弾力に影響しますので、美容に良い食材と言えます。
◆鰻の様々な食べ方について
鰻は焼いてから食すことがほとんどです。鰻のかば焼きをご飯にのせたうな丼、うな重はもちろん、鰻のかば焼きと胡瓜の酢の物「うざく」、鰻のかば焼き入りの卵焼き「うまき」もすべて鰻のかば焼きを用いた鰻の定番料理です。
◆鰻に関する迷信について
鰻の代表的な迷信に「鰻を梅干しは食べ合わせが悪い」と言われます。梅干しの酸味で食欲が増し、高価な鰻を食べすぎることになっては贅沢だという説と、腐った鰻は酸味が出るため、梅干しと一緒に食べると腐ったことに気づきにくい説が良く言われます。食べ物が腐敗すると酸味が出ることは鰻に限ったことではありませんし、医学的、栄養学的にも一緒に食べてはいけない根拠はないとのことです。むしろ香ばしく焼けたうな重をほおばった後、酸味のある梅干しをかじって口をさっぱりさせる、想像しただけでも至福なコンビネーションではないでしょうか。
◆先生だから知っている「鰻」の豆知識など
「鰻の新鮮な血には毒がある」と言います。鰻の鮮血を大量に摂取すると下痢や嘔吐、最悪の場合は麻痺や呼吸困難に陥ることがあるようです。ただ鰻の血清毒は60℃5分の加熱で毒性を失います。また厚生労働所の記録によると食中毒の正式記録はないそうです。たまに見かける鰻の刺身の喫食は個人の判断によりますが、あまり恐れる必要もないないと思います。私も経験のために食べたことがありますが、今のところ身体に異常はありません。