2025年8月のテーマ イカ ①
ふくおか グルメ手帖。
この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「イカ」です。
日本人は、世界のイカの漁獲量の40%以上を消費するくらいイカが大好きです。
縄文時代の貝塚からも、スルメイカやヤリイカのカラストンビが発見されていて、昔から食べていたことが分かります。
そのイカを加工した縁起物のひとつが、結納品としてもよく知られている「スルメ」。漢字では、「寿」に、「留」、「女」と書きますが、スルメは保存がきくことから、「花嫁が末永く家に留まり、家族の長寿や幸福が続くように」との願いが込められた当て字です。ちなみに、スルメのことをアタリメとも言いますが、これは「スル」が「お金をする」を連想させるということで、縁起が良い「アタリ」に言い換えただけです。日本人って、色んな所で縁起を担ぎますね。
さて、そんなイカですが、タコと比較するととても興味深いものがあります。
まず、タコは足が8本、イカは10本と言いますが、正確には、イカの足も8本で、あとの2本は触腕と言ってエサを捉えるものです。そして、その吸盤は、タコは真空状態にしてくっつけますが、イカの吸盤には、かたい歯の生えたリングがあり、筋肉を動かさなくても物をひっかけることができる仕掛けになっています。下足を食べる時は、このザラザラした部分を取り除かないと口当たりが悪くなってしまいますよ。また、イカの墨は美味しいけど、タコの墨は美味しくないというのは嘘で、実はイカと同じようにアスパラギン酸やグルタミン酸などの旨味成分が豊富に含まれていて美味しいんです。ただ、タコの墨袋はとても取り出しにくく、取れたとしてもごくわずかだから利用しないだけなんですね。そして、心臓は、タコと同じく3つあり、このパワフルな心臓を使って勢いよく水を吹き出し、腕の推進力、そして、エンペラと言われるヒレを使って時速40キロで泳ぐと言いますから、オリンピック選手も真っ青ですね。
ところで、イカは色々な食べ方をしますが、天ぷらはいかがですか?
ただ、油で揚げる時に、バン!と爆発することがあって怖いですよね。
これは、もちろん、イカの表面についた水分もですが、イカの皮が一番の原因です。
イカの皮は4層になっていて、水や空気を通しにくい構造のため、油で揚げている最中にどんどん皮の中に空気が溜まっていき、限界になった時に破裂します。
ですから、イカを揚げる時は、表面に切れ目を入れると爆発せずに済みますよ。
天ぷらの他にも、お刺身や、煮付け、塩焼き、塩辛、色々な食べ方ができるイカ。
皆さんは、今晩、どの料理で頂きますか?