FM 福岡 FUKUOKA

2025年9月のテーマ さんま ③

この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「秋刀魚」です。


中村調理製菓専門学校 日本料理担当 島村公大先生にお伺いしました。

中村調理製菓専門学校

福岡市中央区平尾2-1-21
092-523-0411
https://chori.nakamura-s.ac.jp/

◆秋刀魚の栄養について
秋刀魚はDHAやEPAを豊富に含み、血液をサラサラにして動脈硬化を予防します。ビタミンDやB12も多く、骨の健康や貧血予防に役立つ栄養価の高い魚です。

◆なぜ、秋刀魚は内臓も食べて大丈夫なのでしょうか
秋刀魚は他の魚類と異なり、内臓も一緒に食べられる珍しい魚です。その理由の一つが食性にあり、秋刀魚はプランクトンやオキアミなどの小さな甲殻類を主に食べるため、内臓に強い臭みや有害物質が溜まりにくい点が挙げられます。また、消化管も短いため、胃の内容物が残りにくく、苦味が適度な風味として楽しめます
さらに日本国内では新鮮な状態で流通することが多く、内臓の鮮度も保たれるため、安心して食べることができます。このため秋刀魚の内臓は、塩焼きなどでほろ苦さを楽しむことが定着しています。

◆秋刀魚を料理する時のポイント

秋刀魚を美味しく料理するには、目が澄んで腹が張り、身に弾力がある鮮度の良いものを選ぶことが大切です。塩は焼く直前に振り、表面に切れ目を入れると火が通りやすくなります。内臓は苦味を楽しむ場合は残し、苦手なら取り除きます。刺身で食べる場合は、アニサキスの恐れがあるため、冷凍処理済みのものを選ぶ方が好ましいかと思います。

◆先生だから知っている「秋刀魚」の豆知識
サンマは北太平洋を回遊する魚で、夏は北海道沖やオホーツク海など北の冷たい海で過ごし、身はあっさりしています。秋が深まると南下して日本沿岸にやってきて餌をたっぷり食べ、体に脂を蓄えます。脂には融点の低い不飽和脂肪酸が多く、口に入れるととろけて旨味と香ばしさが引き立ちます。焼くとジュワッと広がり身はふんわり、秋の旬の味覚として楽しめます。