2026年11月のテーマ クエ ①
ふくおか グルメ手帖。
この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「クエ」です。
クエはハタの仲間で、体長は1m、重さ50kgを超える大きさに成長する魚です。
そして、群れずに行動し、体が大きな割には小食で、根魚なので巣の前でじっとして目の前を通り過ぎる餌に飛びついたら、すぐに巣の中に帰ってしまうため、釣り上げるのはなかなか難しく、高級魚として名を馳せています。
また、本来、体が大きなものは一年中美味しいのですが、産卵の時期の冬になると浅瀬に上がってきて餌を沢山食べて脂がのってくるのと、比較的釣り上げやすくなるため、冬の魚として定着しています。
さて、「クエ」は標準和名ですが、私たちが住む九州では「アラ」と呼ぶのが一般的です。ところが、実際に「アラ」という名前の高級魚が別にいて、姿かたちも似ているため、ややこしいことになっています。ちなみに、この2つの見分け方ですが、エラ蓋に鋭い棘があると「アラ」、なければ「クエ」になるので、もし魚屋で丸丸1本置いているものや生きて泳いでいるものをみたら、よく観察してみて下さい。
そんなクエですが、一番有名な料理は、福岡で提供される「アラ鍋」です。特に11月に入ると、福岡で大相撲九州場所が始まるため、街に力士を見かけることが多くなりますが、皆さんこの「アラ鍋」が大好きで、全国に広めたため、刺身などの他の料理を差し置いて、鍋だけは「アラ鍋」と呼ばれることが多いです。なぜ、そんなに力士がアラ鍋を食べるようになったのかは諸説ありますが、一番は美味しいこと。そして、勝負飯として験担ぎのために食べたというのが、もっぱらの話です。
ところで、高級魚であるクエがなぜこんなにもてはやされるかと言うと、クエは捨てるところがないと言われるほど、美味しさを余すところなく楽しめるからです。骨から出る濃厚な出汁、プルプルの皮、弾力のある身はもちろん、刺身ではエラ、ヒレはヒレ酒など、その味わい方は多種多様。少し値段は張りますが、コースで味わってみたいものです。
最近は、養殖物も出回るようになり、手に入りやすくなってきました。
力士のように、ちょっと縁起を担いで、何か大事な勝負の前に食べてみませんか?
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